きっと役に立つ! 非暴力コミュケーション
ネチネチした責められ方
よくある話だけど、嫌な上司っているわな。 大概一度くらいは出くわした事あるかと思います。 特にネチネチと責められるのは超うっとおしい。
例えばある日あなたが今週で4度目の遅刻をしたとしよう。
そうするとそれを目にとめた上司はこう言う
「君はまた遅刻かい? 皆決算前で忙しい時にダラダラ出てこられると士気もだた下がりだ!そういう周りへの配慮はないのかね。 社会人としての基本をどこかにわすれてきたのかね?」
こんな風に言われると、多くの人はネチネチした嫌なやろうだと上司を評価するでしょう。
確かに遅刻はミスだが、そこまで言われる事ないんじゃない?と思う人は多いだろう。
じゃあ何故あなたはこの上司のセリフから、ネチネチした嫌な上司という評価をしたんだと思う?
ネチネチしない責められ方?
逆にネチネチした嫌な野郎といわれない言い方はないかな?
あなたが上司だったらどう叱責する?
例えばこんなのはどうかな?
「君は今週で4回目の遅刻だ。決算前で皆忙しく働いている時に君を見て、皆はどう思うだろうか。私は実際、がっかりして失望している。」
さてどちらが良いかな。
後の方がさっぱりした感じがしないかな。
その差がどこから来たかわかるかな。
非暴力コミュニケーション
ちなみに後者は非暴力コミュニケーション(NVC)と言われるものです。
実は同じ様な内容ですが構成の仕方が変えられてます。
もう少し詳細に分析しましょう。
嫌味な上司の例の分析
まず前者の文を分析しますが、
・君はまた遅刻かい? (評価と判断を混ぜている)
・皆決算前で忙しい時にダラダラ出てこられると士気もだた下がりだ!そういう周りへの配慮はないのかね。(評価と判断を混ぜて主観的意見を伝えている)
・社会人としての基本をどこかにわすれてきたのかね?(判断と評価が混ざった主観的意見)
これは嫌ですよね。 こういう風に評価と判断を混ぜられてしまうと、事実とは違ったレッテルを張られた様に感じ、言われた方は感情をぶつけられたとしか思わなくなってしまう。
例えば俺はたった4回しか遅刻してない。でも○○はもっとしてるじゃないかと思うかもしれません(笑)
それで「ネチネチとした嫌味な野郎」という影の評価を上司に付けることになる(笑)
嫌味でない上司の分析
では一方の後者の文を分析します。
・君は今週で4回目の遅刻だ。 (事実のみ)
・決算前で皆忙しく働いている時に君を見て、皆はどう思うだろうか。(皆の感情の問いかけ)
・私は実際、がっかりして失望している(上司の感情を単純に伝えている)
で構成されています。
ここには妙な主観に基づく偏った評価は存在していません。言われた方も素直に内省しやすいといえます。
これを非暴力コミュニケーション(NVC)と呼びます。
比較例2
同じような言い方はいろんな処にあるかと思います。
例えばご飯をこぼす小さな子供にたいして、
「おまえはご飯もこぼさず食べられない本当にだらしない子だ!今度はちゃんとしないと容赦しないよ」といって叱ってしまうのと
「○○ちゃんはごはんの時、今日はたくさんこぼしちゃったね。残念だったね。 でも次はがんばろうね」
というのではかなり違いますよね。
非暴力コミュニケーションの構造
構造の分類
少しみていただきましたが、一般的には非暴力コミュニケーションの構造は
こうなります。
①観察を評価・判断交えず伝える
②感情を伝える
③求めているものを伝える
④要求を伝える
このうち①②の部分の違いをみていただきました。
これを踏まえて全文を書きますが、
① 君は今週で4回目の遅刻だ。 (観察を評価・判断交えず伝える)
② 決算前で皆忙しく働いている時に君を見て、皆はどう思うだろうか。(皆の感情の問いかけ、②の派生)
② 私は実際、がっかりして失望している(上司の感情を伝えている) で構成されています。
そしてこの後は、
③ 明日からはきちんと定時に来なさい(上司が求めているもの)
④ そのために出社1時間前に必ず電話をする様に(要求を伝える)
となります。
全部つなげると
非暴力コミュニケーションで全文を書くと
『君は今週で4回目の遅刻だ。決算前で皆忙しく働いている時に君を見て、皆はどう思うだろうか。私は実際、がっかりして失望している。明日からはきちんと定時に来なさい。そのために出社1時間前に必ず電話をする様に。』 となります。
ドライだけど簡潔な上司という感じがしますよね。
すくなくとも嫌味はないですし、反省しやすいのではないでしょうか。
ちなみにネチネチ型上司だと、
「君はまた遅刻かい? 皆決算前で忙しい時にダラダラ出てこられると士気もだた下がりだ!そういう周りへの配慮はないのかね。 社会人としての基本をどこかにわすれてきたのかね?明日からは必ず定時に出社しろ。なお君の約束は信用できないから、かならず出社1時間前には俺に電話を入れるんだ。わかったな!」てな感じでしょうか。
まあ好きにはなれませんね。
ポイント
さてこの話の肝ですが、
要は事実と評価と判断を混ぜない事です。
週4回遅刻したら、それは「単に4回」というだけで多いとか少ないとかの評価をせずに話を進めるという点です。(査定ではしっかりそこも評価するのは当然ですが)
「また遅刻」、とか「いつも遅刻」とかの「副詞」はこのコミュニケーションにおいては不要です。なぜなら遅刻をしない様に分かりやすく注意を促し
反省させるのがこの会話の目的です。
まとめ
感情的な評価をぶつけてもそれが目的にとって、プラスになる訳ではないのです。
単に留飲が下がるだけのコミュニケーションに意味はないのです。
その点を踏まえて、目的を絞ってシンプルに話す。
そう考えて頂き、是非とも自分の評価を切り離して非暴力コミュニケーションを活用していただければと思います。