徴用工問題のゴールの設定は?
さて、大もめにもめている日韓関係ですが、最終的にどういう風になるのがゴールなのだろうか。
明文化されたゴール
さすがに政府当局者は明言でいないとしても(それ自体に選択をしばられますし、行動もよまれますし)与野党の他の政治家があまりそれを言葉にしないのがちょっと気になる。
そう思っていた処、自民党の松川るい参議院議員がそれをきちんと明文化していた。
松川氏のブログから引用します。ちなみに松川氏は外務省あがり。 外務省の姿勢も近いかもしれません。
松川案
抜粋すると、松川氏は「日本が韓国に対し達成したい目標」として、
- . 65年違反の旧朝鮮出身労働者問題判決について、韓国政府自身がお金を拠出して解決すること(→現在の日韓関係の土台である65年協定が崩れるような事態を避けること)
- 韓国に今後反日行為をさせないこと。
- (上記に加え、GSOMIA破棄で見えた懸念される韓国の行く末に対抗するべく、)韓国が日米韓陣営にできるだけ長く留まるようにすること(=中国の方に行かないとか、反日統一国家の出現を防ぐことでもある)
と、3つ明瞭に上げている。
見通しは?
ゴールがはっきりしたという点では、非常に評価できるのだが、果たして実現できるのであろうか。
1は強硬策をベースにした解決策になると思われるが、2,3については、韓国民の意識を変えていくという話になってくる。
不可能とは言わないが、かなりの難事業になるのは間違いない。
1についてはいずれなんらかの政治的妥協が図られるであろうが、すくなくとも今の韓国の文政権も自民党政権も妥協をするとは思われないのでかなり長期化する事が予想される。
なお韓国側も踏み込めないのか、徴用工問題での日本企業からの賠償金をやるやる詐欺状態になっていて、判決後も差し押さえはしているが、未だ実際に現金化して、賠償金を取り立てるところまでは行ってない。(笑)
枝野氏の意向
実はそういう意味では、野党の枝野氏ですら、似たような事を言って
いる。
雑誌AERAのインタビューで
徴用工についても、日本側に理があると答えている。
もっとも自民党政権は外交交渉での水面下の動きが不足と、2,3の手当てが足りないと批判をしているのだが、そういう意味では松川氏と基本、大差がないと言える。
もっともどうやって、2,3を達成するのかは極めて曖昧で、党内事情を汲んでいるのだろうが、インパクトに欠ける内容になっている。
韓国の判決受け入れ派
さて、話をしぼる意味で、反日及び陣営の話は一旦置いておいて、徴用工の話に絞ると、韓国側の意見を認めて金を払えという意見も存在する。
ゴールという点では韓国側の意見に全面的に従い、決着をしようという考えである。
主張しているのは、共産党や元日弁連会長だった宇都宮弁護士などである。
ちなみに元大阪市長の橋下氏は、一旦これを認めて、その上で日韓基本条約に従ってその分を賠償させるという2段階のアプローチを説いている。
なお、韓国側の言い分を完全に認めると2兆円を超える額になるという算定もあり、ちょっと常軌を逸した額になってくる。
さて ゴールを考えてみよう。
1 韓国の判決を認めない
(自民、公明、立憲民主)などの政界、保守派、が主張
決着:日韓基本条約の上での外交交渉による調整の上での形となる。
望ましい内容→
No1、韓国政府が金銭的補償をする。
No2 IJC(国際司法裁判所)で決める
これは7,3くらいで日本が勝つがダメージもある判決になると追われている。
No3 政治的解決 財団を作るなどで対応
長期的には、
政治的に折り合いがついても徴用工象による嫌がらせがずっと続くと思われる。
2、韓国の判決をそのまま呑む
日刊基本条約外という前提で対象企業が韓国に補償をする
望ましい内容→
No1 現在あがっている訴訟だけについて対応し認める
No2, 一定期間を区切って企業が財団などを作って対応する。
No3, 言われるがままに払う。(最大2兆円くらいか)
その後の見通し
通常だとこれできちんと和解で終わる話だ。
だが今の韓国を見ていると残念ながら、
いくら払っても徴用工象による嫌がらせはずっと続く可能性が大。
(何故なら個別の徴用工の方々が100パーセント満足する訳ではなし)
さらにあらたな問題が提起される可能性がある。
実際和解できれば良いのだが、ちょっと現状ではそれを信じられないと多くの人が思っているのではないだろうか。 ちなみに私もそう思う。
結局のところ ここがゴール?
もちろんきちんと終わる可能性もあるが、そうならない可能性、すなわちリスクがかなり存在する。
となると、認めても認めなくても結果変わらないのなら、強硬に出た方がよいのでは?
残念ながらそう思わざるを得ない。
となると、結局、変わらない結果なら、強硬策の方が確率的に良いのでは?
それがここまで書いた結論かな。残念やけどね・・・・。